ヤブツバキ

日本で古くから愛されてきたヤブツバキ

椿は日本人の心をとらえる花としてずっと昔から大事にされてきました。
品種改良によって椿にはいろいろな種類がありますが、その原型となってきたのが、このヤブツバキです。
実に300年以上も前からヤブツバキを基にして、様々な種類の椿が作られてきて、日本における椿のバリエーションをを作った植物と言ってよいものです。

椿は厳しい冬の時期に花を咲かせますので、他に目立った花がない季節においてとても珍重される植物となってきました。
椿というと濃い赤のイメージが一般的ですが、ヤブツバキは白や薄い紅色などの、全体的に薄い色が多くさわやかな雰囲気を与えるものとなっています。
花びらは肉厚で中心におしべとめしべがバランスよく付いています。

筒状におしべが形成されていて、下の方に蜜が溜まる構造になっていて、その蜜を求めて昆虫が花に寄ってきます。
昆虫によって花粉が移動して受粉がなされるのが一般的です。

様々な用途に用いられるツバキ

日本人の生活においてヤブツバキはとても重要な役割を果たしてきました。
まず、その樹木はとても頑丈でしっかりとしていますので、家具を始めとする様々な用途で使われてきています。
それほど高さも太さもありませんが、その質の高さゆえに重宝されているのです。

そして、なによりその実から取れる油の質の高さは他の植物油をしのぐものがあり、昔から多くの人に愛されてきました。
食用としてはもちろんのこと、美容のためにも用いられてきましたし、工業用としても用いられることもあります。
たくさんの量が取れるわけではありませんので、価格が高くなる傾向がありますが、それでも需要が衰えることはなく、現在でもツバキの油は様々なシーンで用いられています。

このようにヤブツバキを基にしていろいろな種類の椿が作られてきましたが、観賞用はもちろんのこと、実用性の高い植物としての地位も保っています。
上質の油を生産するために、大量に栽培されている地域もあります。

医薬用にも使われてきた

ヤブツバキは美容や食用だけでなく、医薬用としても用いられてきました。
葉を煎じて民間薬として服用する習慣は昔から続いていますし、油を軟膏として傷や火傷に用いるというケースもあります。
含まれている殺菌作用がとても効果的ですので、現代もツバキ油を使用することもあります。

このように、ヤブツバキはたくさんの用途に適うとても有用な植物で、見てもよし、食用にしても医薬用にしても美容に使っても良し、という素晴らしいものです。
栽培はそれほど難しくありませんので、自宅で観賞用などに栽培していることもあり、日本人にとってはとてもポピュラーな植物です。